錦桜橋を超え、桐生信用金庫の先の信号を右折すると、通称“新宿通り”に出るが、
すぐ左側である。寺は戦国時代に創建され、当時の年号にちなんで元(眼)亀山と
名づけられた。
明治時代に作られた「新宿略図」によれば、この付近一帯が最勝寺の門前町で
あった(写真下)。 今とは違い本堂は南向きで、彼方まで門前町が続いていた。
だが、時代の変遷とともに、少しずつ最勝寺の寺域が縮減されていった。
大正期になると東武鉄道の一環として太田・相老間に新桐生線が開通し、新桐生駅が
設置された。 それに伴い、市街地までの道路が延長され、錦桜橋が誕生。
市内まで通じるその道路が最勝寺の広い寺域を分断。次第に、昔ながらの門前町の
面影が消滅していく。
現在では最勝寺の本堂は西を向き、その境内の真ん中を突っ切るように新宿通りが
伸びている。 その結果、墓地を道路の反対側に押しやってしまった。
今の本堂は昭和52年に建てられたもの(写真上)。 内陣には本尊、薬師如来を祀る。
また、堂内には左に六観音、右に地蔵菩薩が祭られている。 地蔵菩薩は藤原時代の作で、
県の重要文化財の話があったが辞退したという。
<巡礼案内>
眼亀山 常楽院 最勝寺(さいしょうじ 天台宗)<新宿観音>
本尊:薬師如来、霊場本尊:聖観音
〒376-0023 桐生市錦町二丁目14番31号
TEL:0277-44-7709 住職:林行弘
<納経所>
同寺 TEL:0277-44-7709