東上州33ヶ所霊場めぐり

ご挨拶

東上州33ヶ所のホームページをご覧いただきまして、まことにありがとうございます。この案内は
筆者が自らの足で33ヶ所の寺院を巡り、所在や道順、管理者、納経所などを確認したものです。

33ヶ所の中には、大伽藍を有する寺、観音堂だけの寺などさまざまな寺院があり、また無住に
なったり一時は廃寺になったりしているところもあります。しかし、各地元の人々の熱心な信仰の
おかげですべての寺院が、現在に至るまで存在しております。

その東上州33ヶ所の寺院のすべてを巡ることによって、昔の時代に思いをはせ、心身ともに豊かに
なっていきます。その意味で、東上州33ヶ所巡りは、まさに自己の内面を見詰める旅だと言うことが
できるでしょう。

巡礼中は、苦しいこと、辛いことがあるかもしれません。しかし、それらも観音さまが自分に課した
試練なのです。どうか、途中であきらめず、最後の寺まで回ってください。全寺巡礼(満願)すれば、
それこそ計り知れない大きな喜びが訪れるでしょう。

霊場の歴史

東上州霊場は江戸時代中期、宝永5年(1708)山田郡西小倉村(現在の桐生市)の崇禅寺の住職、
尭観(ぎょうかん)道心が創設したものである。霊場は館林市、太田市、桐生市などの東毛地区に
散在する。

観音霊場は西国、坂東、秩父が有名であるが、女性や年配者にも気軽に巡れるものとして各地に
地方霊場が創られた。

開設当時は尭観が案内記を発行するなど、 賑わいをみせた。その後、寛延2年(1749)には、
最勝寺(29番)の二人の住職がすべての寺院を開帳したうえ、案内記を改訂した。

明治37年(1904)には、邑楽町中野村の金井喜四郎と多々木熊次郎の二人が中心になって、案内記を
新しくするなど復興に努めた。

その結果、東上州の霊場は繁栄を極め、多くの巡礼者が訪れるようになった。 しかし、大戦の勃発や
人々の価値観の変化によって、それまで栄えていた寺院でも、 無住になったり廃寺に
なったりしている。また、現在に至っては東上州33観音霊場の存在そのものを知る人も少なくなっている。

そこで、筆者が何日もかけて自分の足で歩き、33ヶ所すべての霊場が存在することを調査し、さらに
全寺のご朱印が揃うことを確認した。

その地では、地元の人々の熱心な信仰により、昔のままの霊場が300年以上経った今でも、この東毛
地区において長い歴史の中で息づいていたのである。

本案内では創設当時の寺の名前を冒頭に掲げ、ご朱印を頂ける場所を納経所として記載した。合併が
行われたお寺に関しては、合併先のお寺を霊場として記載した。

東上州の地にこのような立派な霊場が存在することは、まさに郷土の誇りである。これからも東上州
霊場の巡礼者が増え、より多くの人々が観音の功徳に触れられることを切に願っている。

霊場一覧

第1番宝福寺如意輪観音 ≪大同観音≫板倉町
第2番円満寺千手観音 ≪岩田観音≫板倉町
第3番花蔵院聖観音 ≪除川観音≫板倉町
第4番明善寺如意輪観音館林市
第5番善導寺千手観音館林市
第6番遍照寺《旧・観音院》十一面観音館林市
第7番蓮葉院聖観音館林市
第8番宝生寺十一面観音 ≪日向観音≫館林市
第9番谷中観音堂如意輪観音 ≪谷中観音≫邑楽町
第10番正眼寺聖観音 ≪小泉観音≫大泉町
第11番浄光寺千手観音太田市
第12番恵林寺《旧・清水寺》聖観音 ≪矢場観音≫太田市
第13番江徳寺《旧・観音寺》聖観音 ≪台之郷観音≫太田市
第14番観音山馬頭観音太田市
第15番松島観音堂馬頭観音 ≪松島観音≫太田市
第16番徳性寺十一面観音 ≪出世観音≫太田市
第17番儀源寺聖観音 ≪亀岡観音≫太田市
第18番円福寺千手観音 ≪別所観音≫太田市
第19番正法寺聖観音 ≪脇屋観音≫太田市
第20番四軒在家観音堂千手観音太田市
第21番医王寺如意輪観音≪小金井観音≫太田市
第22番聖王寺千手観音太田市
第23番慈眼院十一面観音 ≪北沢観音≫太田市
第24番善泉寺十一面観音 ≪縁切り観音≫太田市
第25番法楽寺十一面観音桐生市
第26番大雄院馬頭観音 ≪桐生観音≫桐生市
第27番古庭観音堂聖観音 ≪古庭観音≫桐生市
第28番福寿堂聖観音桐生市
第29番最勝寺聖観音 ≪新宿観音≫桐生市
第30番浄運寺聖観音桐生市
第31番妙音寺十一面観音 ≪山の手観音≫桐生市
第32番光明寺千手観音桐生市
第33番小倉峠観音堂馬頭観音 ≪峠の観音≫桐生市
特別霊場大光院聖観音太田市