唯一の生きがい

場面2.唯一の生きがい(婆さんの話) ― いつも楽しみ ―

「あたしゃ、今年で79歳になるんじゃ。50歳を過ぎた頃から川柳をやっていて、もう
20年以上になるわい。この前、孫に教わりながら、覚束ない手つきでインターネットと
いうものを開くと、そこに川柳も載っていて、毎回それを読むのが楽しみになったのじゃ。

最近、そのネットを見ていると、“相続専門の樋口正洋・司法書士・事務所”っていう
ホームページが、たまたま見つかった。相続とか法律とかの話を載せておる。

最初は、あまり関心がなかったが、そこに、あたしゃと年代が同じ、おじいさんが書き込み
をしておった。わしの財産はみんな妻にあげるなどと書いておって、興味深く読ませて
もらった。

それからというもの、あたしゃ、樋口事務所のホームページを読むのが楽しみになった。
こっちのページはどんな記事じゃろう、などと思いながら、いつも見ておる。いまでは、
それが生き甲斐にもなったようじゃ。

あたしゃ、さっき川柳をやっていると言ったが、川柳も面白いけど、樋口事務所の記事も
面白い。そこで、一句作ってみた。“歳とって 唯一の楽しみ 司法書士”。どうじゃ、うまい
じゃろう。それじゃ、もう一句。“このページ いつも楽しみ 生き甲斐じゃ”。

ところで、あたしゃが亡くなったとき、あたしゃの財産の名義書き換えは、樋口なんとか
という先生にお願いしようと思っておる。子どもにも孫たちにもよく言っておこうと思って
おる。じゃが、子どもたちがそのことをきちんと守るかどうかわからんけどな・・・」