農地を貸したら

質問5:農地を貸したら、盗られてしまうの?

田舎では、あちこちに休耕地が目立ちますが、その土地を有効に利用する方法として、
他人に貸すということが実際、行われています。

しかし、農地を貸すと、取り戻せなってしまうのではないか、という疑問を抱く人がいます。
これは正当な疑問です。

民法は、“時効取得”を規定しています。それによりますと、その土地を他人のものだと
知って耕しているときは20年、自分のものだと勘違いして耕しているときには10年で、
借りた人の所有になってしまうことがあるのです。では、このようなことを防ぐには、どう
したらよいのでしょうか。

1つは、土地を貸したことを書面で残しておくということです。市販の簡単な契約書で
よいのです。あとで必ず証拠になります。

2つは、現実に賃料を支払ってもらうということです。たとえ月1,000円でも構いません。
振込みの方法か領収書を渡してください。賃料を受け取っている以上、時効で取得される
ことはありません。

3つは、賃貸借の期間を10年ぐらいに短くすることです。そのくらいの期間なら、自分でも
契約を把握することができます。

4つは、世代を超えて貸すようなことは極力避けることです。長くなれば長くなるほど、
法律関係が不鮮明になります。

このように、土地を他人に時効取得されないためには、いくつかの手段があります。
みなさんもぜひ実践してみてください。