第29番 最勝寺

聖観音 ≪新宿観音≫ :: 桐生市


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錦桜橋を超え、桐生信用金庫の先の信号を右折すると、通称“新宿通り”に出るが、
すぐ左側である。寺は戦国時代に創建され、当時の年号にちなんで元(眼)亀山と
名づけられた。

明治時代に作られた「新宿略図」によれば、この付近一帯が最勝寺の門前町で
あった(写真下)。 今とは違い本堂は南向きで、彼方まで門前町が続いていた。

だが、時代の変遷とともに、少しずつ最勝寺の寺域が縮減されていった。

大正期になると東武鉄道の一環として太田・相老間に新桐生線が開通し、新桐生駅が
設置された。 それに伴い、市街地までの道路が延長され、錦桜橋が誕生。

市内まで通じるその道路が最勝寺の広い寺域を分断。次第に、昔ながらの門前町の
面影が消滅していく。

現在では最勝寺の本堂は西を向き、その境内の真ん中を突っ切るように新宿通りが
伸びている。 その結果、墓地を道路の反対側に押しやってしまった。

今の本堂は昭和52年に建てられたもの(写真上)。 内陣には本尊、薬師如来を祀る。
また、堂内には左に六観音、右に地蔵菩薩が祭られている。 地蔵菩薩は藤原時代の作で、
県の重要文化財の話があったが辞退したという。

<巡礼案内>
 眼亀山 常楽院 最勝寺(さいしょうじ 天台宗)<新宿観音>
 本尊:薬師如来、霊場本尊:聖観音
 〒376-0023 桐生市錦町二丁目14番31号
 TEL:0277-44-7709 住職:林行弘

<納経所>
 同寺 TEL:0277-44-7709

巡礼歌 『桐生えて 鳳凰遊ぶ 最勝寺 ためし稀なる 霊地なりけり』