第20番 能満寺


伊勢崎市 の境支所の通りに原病院があるが、能満寺はその北側。 すぐ西には粕川が流れる。
道路から、本堂の大きな屋根がひときわ目立つ。

本堂は、間口十三間ある大きな建物。正面に立つと、 屋根の反りや巨大さに圧倒される。近郊では、
最大の建造物である。

文政4年(1821)再建され、その後、何度かの改修を経て現在に至っている。

広い参道が道路に面して造られているが、車の通行は禁止。風情を残すため、いまだ舗装は
されていない。

巨大な本堂の左側には、不動堂が建つ。厄除不動ともいわれ、参拝者が絶えない。

本堂の内陣には本尊、虚空蔵菩薩の木像座像が安置されている。大空のように無限の功徳を
与える 仏である。

文化3年(1806)の火災で古文書を焼失しているが、長和元年(1012)僧である快尊の開山と
伝えられる。江戸時代には、総持寺、大慶寺とともに、 学問の修行所である新田三談林の一つとなった。
また、近世の末期には、二十ヶ寺の末寺を有していたという。

本堂前の入口付近に、庚申塔や二十二夜侍塔などの石造物が並んでいる。江戸中期に造られた
ものが多く、 この寺でも民間信仰が根強く行なわれていたことを物語っている。

<巡礼案内>
 摩尼珠山 虚空蔵院 能満寺(のうまんじ) [新義真言宗] 本尊・虚空蔵菩薩
 〒370-0127 伊勢崎市境上武士町604 住職・高橋良昭

<納経所>
 同寺 TEL:0270-74-0447

巡礼歌 『茂りつる 鶴の林を しるべにて 大師ぞいます 地蔵帝釈』