第32番 光明寺


桐生が岡公園を目指して住宅街の細い道を行くと、 道端に光明寺の石柱が立っている。
突き当たりが光明寺である(写真上)。

光明寺は8世紀、行基菩薩の創建。 江戸初期、鳳仙寺の禅師を招き開山し光明寺と称し、
曹洞宗の教義の流布発展に貢献してきた。

昭和44年には、庫裡や山門、開山堂などを整備し、 伽藍を現在のものに整える。境内には
古さと真新しさが混在する。

植え込みの美しい山門の先には、右手の石段の上に観音堂が立つ。堂内に祀られているのが
本尊の千手観音であり、行基菩薩が刻んだものである。

観音堂の随所に見事な彫刻が施されているが、その扉には、 穴の開いたひしゃくがたくさん
吊り下がっている(写真下)。

底が抜けるようにお産が軽く終わることを願って奉納したものであり、現在でも多くの参拝者が
安産祈願のため訪れるという。

光明寺は後ろに吾妻山を控え、その寺域はまさに霊場にふさわしい。

隣の吾妻公園は花が随所に咲き乱れ、それらを見ながら散歩のできる市民の憩いの場である。
また、近くにある桐生が岡動物園、同遊園地があり、休息に立ち寄るのもよい。

<巡礼案内>
 大悲山 光明寺(こうみょうじ 曹洞宗)
 本尊:千手観音
 〒376-0056 桐生市宮本町三丁目9番15号
 TEL:0277-22-4854 住職:坪井良行

<納経所>
 同寺 TEL:0277-22-4854

巡礼歌 『有り難や 誓いも深き 千住堂 二世安楽と 誰も頼まん』