第87番 能満寺


国道354号の周辺はほとんど田んぼであるが、国道南側にあさひ食堂、セブンイレブンがある。その
一つ先の細い農道を北に折れる。しばらく進むと、左手の田んぼの中に、 真新しい本堂が見える。

草生した参道を裏から行くと、小柄な本堂がぽつんと建つ。田園地帯ではあるが、西側には新興の
住宅が建ち並び始めている。

この寺は、慶安4年(1651)開山される。北方にある米沢神社は鎌倉権五郎景政を祀るが、この寺も
景政院と言われ、 何かの関係があったのではないかといわれている。

元禄年間(1688~1704)に田畑の寄付を受け、再興される。文久3年(1863)焼失したため、明治初年、
間口五間の本堂、庫裡が建立された。

この建物も台風のため倒壊。明治23年に再建した本堂も、火災で古文書とともに焼失。明治42年に
なって、再び本堂と庫裡が建てられた。

この本堂もその後の朽廃が激しく、平成9年に現在の本堂が新築された。境内の片隅に、本堂新築の
記念碑が立っている。

本尊は虚空蔵菩薩。脇仏として阿弥陀如来、不動明王、地蔵菩薩などを祀る。また、境内の北側には、
江戸中期の地蔵菩薩、二十二夜塔などさまざまな石の供養塔が一列に整然と並んでいる。

<巡礼案内>
 米沢山 景政院 能満寺(のうまんじ) [高野山真言宗] 本尊・虚空蔵菩薩
 〒373―0843 太田市米沢町223 無住

<納経所>
 教王寺(88番) TEL:0276-32-1143

巡礼歌 『あしびきの 山寺の尾の 長尾寺 秋の夜すがら 弥陀を唱えて』