第84番 吉祥寺


県道・小島太田線、岩瀬川の信号を東に進むと、ファミリーブックがあり、その先の信号の手前に
北に入る細い道がある。そこを300メートルほど行くと、右側に建っている。南側には未舗装の駐車場が
ある。

参道には墓地が並び、粋な山門が建っている。本堂はその奥にあり隣接して庫裡が建つ。境内は、
いつもきれいに清掃されている。

本堂は平成元年に再建された鉄筋コンクリート造り。外観は、十輪寺(76番)の本堂と似通う。内陣
には、元禄年間(1688~1704)に作製された不動明王を安置する。このため、関東88ヶ所霊場の12番に
なっている。

本堂の西側には、宝形造りの毘沙門堂がある。本来はこれが本堂であり、内陣に木造の毘沙門天
立像を祀る。このお堂は江戸中期の建物であるが、明治40年に吉祥寺に合併移築された。

この寺は、鎌倉中期に開山。その後、火災ですべてを焼失するが、安永4年(1775)に再建されている。

また、少し離れた北西の蛇川のほとりに、松島観音堂が建っている。 その美しさが、陸奥の松島の
景色に似ているところから名づけられた。内陣に馬頭観音を祀る。
この堂は東上州33ヶ所の15番である。

<巡礼案内>
 米珠山 多聞院 吉祥寺(きちじょうじ) [高野山真言宗] 本尊・毘沙門天
 〒373-0821 太田市下浜田町760(愛育保育園46-3926)
 住職・黒澤義祥

<納経所>
 同寺 TEL:0276-45-3217

巡礼歌 『ちよろずの 悪魔ごうぶく 成したもう いとくはたかし 南無不動尊』