第83番 長勝寺


高林十字路の西、二つ目の信号を過ぎると、火山ラーメン店がある。その脇の道を南に入る。道端に
長勝寺の看板がでている。細い路地を左に折れると、 太田南保育園がある。

寺はその隣に、うっそうとした高い樹木に囲まれながら、ひっそりとたたずんでいる。

山門の手前には小さな古墳があり、その頂上に、除災招福・安産子育など祈願するためのさまざまな
地蔵菩薩が祀られている。お堂の脇には、無数の石仏がたたずむ。これらは、かつて東毛病院の地に
あったが、天保年間(1830~1844)、現在の地に移された。

正面の山門を入ると、右手に鐘楼、左に薬師堂、そして正面に本堂が整然と建っている。鐘楼に
下がっている梵鐘は、昭和46年に鋳造されたもの。古刹のたたずまいを見せる薬師堂は、旧本堂。
間口八間の大きな本堂は、昭和45年に築造された。

この寺は、治承4年(1180)新田義俊が薬師如来を本尊として建立したが、慶長8年(1603)火災で
焼失。慶安2年(1649)祐範和尚によって中興され、以後何度かに渡って改修されている。

明治5年の学制発布によって、安楽寺に置かれていた不倦舎の分校が、一時期、長勝寺に置かれて
いた。

境内は静かであり、人里離れた山中にいる雰囲気が漂う。

<巡礼案内>
 荷悲山 宝光院 長勝寺(ちょうしょうじ) [高野山真言宗] 本尊・大日如来
 〒373-0827 太田市高林南町774 住職・空井俊憲

<納経所>
 同寺(兼86番) TEL:0276-38-0312

巡礼歌 『霜寒く 露しろたえの 寺のうち 御名(みな)を唱ふる 法(のり)の声々』