第8番 清泉寺


国道354号の世良田の信号を北へ曲る。すぐ郵便局があるので左折。しばらく行くと、畑に
囲まれながら右手に建っている。

周囲は静かで、寺の周囲には背の高い木々が繁っている。

悪源太(源)義平の菩提を弔うため、妻である新田義重の娘、妙満尼が建てたと伝えられる。
檀家寺ではないため、一般人の墓地群がない。そのため、境内はこぢんまりとし、本堂も普通の
民家と変わりがない。

本堂の前の植込みに囲まれて、悪源太義平の墓がある。1メートルほどの石塔の表面に、
“悪源太義平公の御廟”と言う文字がかすかに読める。

悪源太(源)義平は源頼朝の兄にあたる人物であるが、15歳のとき、木曽義仲の父である
義賢を討った。そのため、悪源太と呼ばれるようになった。当時の言葉で、“悪”とは勇ましいことを
意味するが、平治の乱で平清盛に敗れ、斬首された。

また、境内の大きな松の木の下には、市の重要文化財である宝篋印塔が立つ。これは徳川吉宗の
第二子である田安氏が娘夫婦の幸福を願って建立したものである。

<巡礼案内>
 義平山 清泉寺(せいせんじ)[真言宗律宗] 本尊・如意輪観音
 〒370-0426 太田市世良田町1490 住職・福島八千代

<納経所>
 笠原稲男宅 TEL:0276-52-1216
 〒370-0426 太田市世良田町1397-2
 清泉寺の前、世良田上町住民センターのすぐ南

巡礼歌 『大乗の 秘法も罪(とが)も ひるがえし てん法輪の 縁とこそ聞け』