第71番 威光寺


宝泉小入口(信号)の先のカーブが終って100メートルの道端に威光寺を示す石柱が立って
いる。民家が建て込んでいるので、見落とさないように注意。

粋な山門の先には、不動堂、大師堂、本堂などが建ち並ぶ。

本堂は真新しく、平成11年の新築。奈良の唐招提寺の建物に似せ、屋根に金色の鴟尾を
乗せる。大師堂もこのとき修復。不動堂は大正4年の再建。

元徳2年(1330)、新田義貞の次男、義興の開基。かつては医光寺という寺名で、本尊は
不動明王であった。応永年間(1394~1428)、横瀬貞氏が伽藍を修繕し、義興を追悼した。
そのとき、義興の法号にちなみ正英山威光寺とした。以後、 新田氏の祈願寺として繁栄した。

元禄8年(1695)の火災で、伽藍や宝物が多く焼失した。宝永年間(1704~1711)に再建され、
本堂や庫裡、不動堂、大師堂などが造られた。不動堂は明治期に焼失したため、大正期に再建。

その後、本堂は昭和29年に改修されたが、老朽化が進んでいるため、現住職や檀家が中心と
なり、現在の本堂が造営された。有名な宮大工の手によるもので、組物や細部に工夫が凝らしてある。
内陣には、薬師如来や不動明王、大日如来など多くの仏像を祀る。 近隣に誇れる大堂である。

<巡礼案内>
 正英山 自性院 威光寺(いこうじ) [高野山真言宗] 本尊・薬師如来
 〒373―0036 太田市由良町925 住職・宮山弘道

<納経所>
 同寺(兼73番) TEL:0276-31-1711

巡礼歌 『西方を よそとは見まじ 安養の 寺に参りて 受くる十楽』