第69番 慈眼寺


南北に走る県道・尾島宝泉線に出る。それを北に進み橋を越えてすぐ先の細い路地を東に
曲がる。道は細く垣根があるため、わかりづらい。 曲り角に小さなバス停がある。

野菜畑の道を東へ300メートルほど行くと、右手に墓地に囲まれながら、平屋の建物が見える。
そこが慈眼寺である。

裏手から境内に入ると、建物の脇に石碑が建つ。高野山真言宗、慈眼寺と刻まれており、この
住宅風の建物が本堂になる。

この本堂は境内の前の植え込みから見ると風情が感じられるが、雨戸が閉まっているため
淋しさが漂う。一見、民家のようで、境内にある墓石のみが、 寺院たる雰囲気をかもし出している。

この寺は、寛永元年(1624)開基されたが、蓮台寺による兼務が多かったため、詳細は不明。

昭和30年代まで、本堂は茅葺きの建物だった。その後、建て替えられ、昭和59年に現在の
本堂が完成した。

内陣には本尊である地蔵菩薩立像を祀るが、ほかに、十一面観音、不動明王などの諸仏を
安置する。

本堂の西には石造物があり、地蔵菩薩や二十二夜供養塔、庚申塔などが並ぶ。庚申塔には、
青面金剛が彫られている。

<巡礼案内>
 王玉山 安楽院 慈眼寺(じげんじ) [高野山真言宗] 本尊・地蔵菩薩
 〒373―0844 太田市下田島町548 無住

<納経所>
 教王寺(88番) TEL:0276-32-1143

巡礼歌 『うえおきし 小松の寺を 眺むれば 法の教えの 風ぞ吹きぬる』