第65番 栄福寺


64番の前の道をまっすぐ行くと、一つ目に手押し信号がある。角に消防団とガソリンスタンドがある。
それを右折。民家が切れてきた曲り角の右奥に、栄福寺が見える。角に1メートルほどの人形が立つ。
道が狭いので、要注意。南には田んぼが広がっている。

古くは医王堂があった地に、慶安3年(1650)武州の重栄僧正が寺を建てた。それがこの栄福寺で
ある。 その後、地元の人々の信仰の対象になったが、明治期の廃仏毀釈によって衰退した。

境内には、かつて春日神社と八幡神社、薬師堂、大日堂などがあったが、春日神社は下田島の
日吉神社に、八幡神社は中根八幡宮に合併され、薬師堂は反町の薬師堂となった。

唯一残った大日堂が、現在の薬師堂とされている。明治期から無住であり、現在は正法寺の兼務寺と
なっている。

境内の西に、こぢんまりと薬師堂が建つ。正面に“瑠璃閣”と書かれた古い額が掲げられている。
シャッターの閉められたお堂が、人々から忘れられたような淋しさを感じさせる。

北側の細長い建物は、本堂と庫裡を合体して平成2年に建てられたもの。本堂には、大日如来や
薬師如来などが祀られている。また、庫裡の部分は西野谷集会所としても使用されている。

<巡礼案内>
 西谷山 薬師院 栄福寺(えいふくじ) [高野山真言宗] 本尊・大日如来
 〒373-0043 太田市西野谷町253 無住

<納経所>
 正法寺(57番) TEL:0276-32-0564

巡礼歌 『縦横に 峰や山辺に 寺建てて あまねく人を 救うものかな』