第64番 常楽寺


県道・太田境線沿いに、常楽寺の立看板が出ている。細い参道を入ると、広い駐車場がある。
正面には本堂、左手に客殿と庫裡が建つ。その前に、 池泉回遊式の庭園が広がっている。

本堂は平成6年の新築、宝形造り唐破風付き、両脇に花頭窓を飾ったしゃれた建物である。入口
付近に建つ鐘楼には、昭和56年に鋳造された梵鐘が下がっている。

この寺は明治25年、旧常楽寺、円通寺、蓮蔵寺が合併して、蓮蔵寺跡に出来たものである。合併
以前の各寺の由来は、記録がないため、 ほとんど不明である。

現在、旧常楽寺跡には不動堂と稲荷神社が建ち、南北朝時代の宝篋印塔(市重文)と五輪塔が
残されている。また、円通寺跡には、平成5年に薬師堂が建立されている。

常楽寺は花の寺としても有名で、境内には桜、つつじ、はなみずきなどの花が咲き、参拝人の
目を楽しませている。

特に左手に広がる庭園は見事で、小高い場所にある弁天堂や手前の休憩所まで続いている。
この庭園に広がる池の小道をゆっくり散策すると、 遍路の旅の疲れもしばし忘れる。

ここに咲く彼岸花は代表的なもので、その美しさに見ごたえがあるという。

<巡礼案内>
 紫雲山 阿弥陀院 常楽寺(じょうらくじ) [真言宗豊山派] 本尊・十一面観音
 〒373-0044 太田市上田島町372 住職・本城亮俊

<納経所>
 同寺 TEL:0276-31-0001

巡礼歌 『守護のため 建ててあがむる 国分寺 いよいよ恵む 薬師なりけり』