第63番 長命寺


62番の東側の道をそのまま南に行くと、木崎の通りに突き当たる。 信号を左折したところに、
長命寺がある。

門前には、茅葺の小さな地蔵堂がある。これは木崎色地蔵と呼ばれるもので、江戸時代、
木崎宿にいた飯盛り女が信仰していた地蔵である。

この色地蔵は、文化文政期にできた木崎音頭にも登場する。

本来、子供の風邪を予防する子育て地蔵として祀られていたもので、毎年8月23日には、子育て
色地蔵尊祭が盛大に行われる。

長命寺は、延長3年(925)創建されたが、木崎宿の火災で伽藍のすべてを失った。その後、
慶長3年(1598)に再興された。

当時、近在のすべての神社を支配し、称徳天皇を祭る貴先神社の別当職となっていた。そのため
院号を称徳院という。

境内の入口には、袖付きの石柱門があり、その奥に本堂が建つ。内陣に大日如来、阿弥陀如来
などを安置する。

本堂の左手前には、豊城塚という小高い円形古墳がある。その上に双体道祖神を祀る。

右手には庫裡があり、その前の植込みから眺める本堂の姿は、格別美しい。

<巡礼案内>
 照光山 称徳院 長命寺(ちょうめいじ) [高野山真言宗] 本尊・大日如来
 〒370-0321 太田市新田木崎町1088 住職・小暮良祐 地図[4]

<納経所>
 同寺 TEL:0276-56-8572

巡礼歌 『立ち寄りて 作礼(されい)の堂に 休みつつ 六字を唱え経を読むべし』