第62番 照明寺


反町薬師入口の信号を南に行くと、右手に水を張った堀がある。そこが反町館跡であり、県指定の
史跡となっている。手前に広い駐車場があるが、 普段は境内にも停めることができる。

かつて新田義貞の館があった場所だといわれ、横瀬氏が館跡を本丸として城郭を造り上げ、その後、
歴代の仙戦国将の重要な居住地となった。

照明寺はその本丸跡に建つ。永禄年間(1558~1570)西方にあった薬師堂が照明寺と名づけられ
祈願寺とされていたが、聖徳4年(1714)、失火によりすべての建物が焼失したため、中興開山として、
現在地の反町館跡に移された。

当時は、本堂方四間、鐘楼方一間半、庫裡間口十間だったという。青い水をたたえたお堀のそばには
大きな藤棚があり、季節には参拝人の目を楽しませている。広い境内には、正面に本堂、西側に大師堂、
参篭堂などの貫禄ある建物が並ぶ。

本堂は明治11年の建物で、内陣に本尊の薬師如来、日光月光菩薩、不動明王などを祀る。

毎年1月4日の大祭日には、厄除けや各種の祈願を受けるため、近在はもちろん遠方からたくさんの
人々が訪れ、境内が老若男女の参拝人で埋まる。

<巡礼案内>
 瑠璃山 妙光院 照明寺(しょうみょうじ) [高野山真言宗] 本尊・薬師如来
 〒370―0313 太田市新田反町町896 住職・石塚良秀

<納経所>
 同寺(兼1番、41番、61番) TEL:0276-57-0211

巡礼歌 『来光の 弥陀の光の 円明寺 照り沿う影は 夜な夜なの月』