第58番 雷像院


57番から南へ200メートル行き、ミラーのある角を左折する。 少し行くと、路地の曲がり角にある。
境内の奥まった場所に、細長い建物がある。 これが脇屋集会所と一体になった雷像院の本堂である。
一見、校舎のようである。

正面には大きな時計盤と雷像院と書かれた額が掲げられている。内陣の本尊は木造の薬師
如来立像であり、他に、大日如来、阿弥陀如来、 十一面観音などが安置されている。

その左側には精霊供養所が作られ、多くの石塔、石仏が並ぶ。平成2年に修理が行われている。
中心に立つ地蔵菩薩は正徳2年(1712)に建立されたもの。ほかに、天文5年(1536)の光明真言
五百万遍の供養塔、また、 江戸中期に建立された万零塔や供養塔などが整然と並べられている。

この場所は、まさにさまざまな精霊が住んでいる聖地であり、近づきがたい雰囲気が漂っている。

雷像院は、貞享年間(1684~1688)に阿闍梨、尊海によって、正法寺の末寺として創建される。
文化4年(1807)の近隣の火災で文献が焼失したため、詳細は不明。かつては、 間口三間、奥行
四間の本堂が建っていたという。

今では広い空地のような境内があるだけで、昔の寺院の面影はどこにも見出すことができない。

<巡礼案内>
 向機山 雷像院(らいぞういん) 学願寺[高野山真言宗]  本尊・薬師如来
 〒373―0031 太田市脇屋町522 無住

<納経所>
 正法寺(57番)TEL:0276-32-0564

巡礼歌 『雷の 光に輝く 御堂には 薬師の像の ありがたきかな』