第53番 慈眼寺


北関東自動車道の高架を右手に見ながら、八王子農園の方向に行く。そこを過ぎ、しばらく
農道を進むと、 民家に囲まれながら山の斜面に本堂が建っている。

民家の前の細い参道の先には、石の地蔵とともに石柱門が立つ。崩れかけた何段かの石段を
上ると、正面に本堂がある。

本尊は十一面観音。彼岸や盆などにお堂が開かれ、そのとき直接拝むことができる。

境内は、無住のためいつもひっそりしている。

その右手前に2メートルを超える石の刻経塔が建つ。光明真言の供養塔の一つで、宝暦
10年(1760)に造られたものである。塔身に梵字が書かれ、側面に文字が彫られている。

また、境内には戦没者慰霊碑を始め、いくつかの碑が立つ。本堂脇の小さなお堂は、閻魔堂。
閻魔 大王や附属の十六仏が安置されている。

この寺は天正12年(1584)開基され、当時から大慶寺の末寺であった。また、寺伝によれば、
応永元年(1394)、妙智尼が創設したとされる。当初は妙智沢にあった小寺であったが、火災に遭い
現在地に移された。

季節には、桜の木が見事な花をつけ、山のお寺の雰囲気が一層高まる。新田秩父34カ所の2番。

<巡礼案内>
 妙智山 慈眼寺(じげんじ) [真言宗豊山派] 本尊・十一面観音
 〒373-0003 太田市北金井町533 無住

<納経所>
 大慶寺(35番) TEL:0276-57-1077

巡礼歌 『慈眼寺は 諸願かないの 水清く 心の月は さやかなりけり』