第51番 法楽寺


すしおんどの駐車場の脇の細い道を南に行くと、すぐ右手に彦部家住宅がある。そのまま南に
進むと、突き当たる。それを右折し少し行くと、 法楽寺の裏手に出る。

かつて、この寺は賀茂神社の別当地であった。本堂前の石標に、賀茂神社で行なわれていた
十二社参りの納経がこの寺で行なわれていたことが、 刻まれている。

境内地の前に沢があり、心地よい水の流れが聞こえる。正面の山門を入ると、右側になでぼとけが
立ち、門の脇にはペットの墓が造られている。 その奥に入母屋造りの大きな本堂が堂々とそびえる。

本尊は、十一面観音と呼ばれている。しかし、その姿は千手や不空羂索の特徴を有する珍しい
格好をしている。

伝承では、天喜5年(1057)、この地方の支配者であった八幡太郎義家は、奥州の安部貞任との
戦いに出陣する際、 この寺に祈願した。

その結果、勝利をおさめたので、寺の前で法楽を舞い奉納した。それが縁で、八幡太郎の八幡を
山号とし、寺名を法楽寺とした。

寺宝としては、“木彫り懸仏三体”が存在する。円鏡に立体的に懸仏を現したもので、桐生市の重要
文化財に指定されている。

東上州33ヶ所の25番札所でもある。

<巡礼案内>
 八幡山 法楽寺(ほうらくじ) [真言宗豊山派] 本尊・十一面観音
 〒376-0013 桐生市広沢町六丁目825 住職・山田亮賢

<納経所>
 同寺 TEL:0277-54-4457

巡礼歌 『後の世を ただ幾たびも 願うべし 仏の誓い 末は賀茂沢』