第39番 全性寺


県道・大間々尾島線の大原仲の信号手前にある。岡登霊神社がすぐ隣。江戸初期、代官の
岡上景能は渡良瀬川から用水を引き、農地を開拓した。 その功績をたたえて建立された神社である。

全性寺は、その南側に隣接する。西の県道は、かつて足尾の銅を運搬するために用いられたため、
銅街道と呼ばれている。

この寺は、貞享4年(1687)大慶寺の住職の弟子である全性法印によって開基された。本尊は
大日如来、境内には本堂、鐘楼、庫裡が建っていた。

本堂は昭和12年に、間口9間、奥行7間に改修されている。

街道に面した石柱門の先には、駐車場があり、六地蔵や馬頭観音、庚申塔などが立ち並ぶ。
その東側に雄大な本堂と庫裡がある。

内陣の欄間には、中国の物語を題材にした弘化4年(1848)の彫刻が残されている。

彫刻家の岸亦八(またはち)とその養子、太輔の作品である。岸亦八は脇屋村生まれ。前橋藩、
館林藩など公儀の彫刻請負主となって活躍した。受楽寺山門の彫刻も、彼の作品である。欄間の
彫刻は、昭和53年、市の重要文化財に指定された。

ぼけ封じ関東33ヶ所19番の寺でもある。

<巡礼案内>
 宮林山 悉地院 全性寺(ぜんしょうじ) [真言宗豊山派] 本尊・大日如来
 〒379-2304 太田市大原町371

<納経所>
 同寺 TEL:0277-78-2195

巡礼歌 『上州の 新田の里の 地蔵尊 銅道(あかがねみち)と 宮林山(ぐうりんざん)』