第38番 福蔵院


嘉祢の信号を東に曲る。そのまままっすぐ行くと、市野井の信号のそばにある。 街道から白い壁に
囲まれた本堂や鐘楼などの屋根が美しく見える。

参道の先には簡素な山門があり、右手に均整のとれた鐘楼が建つ。第二次大戦のため供出された
梵鐘は、昭和59年、新調された。

正面には大きな屋根を乗せた本堂が建ち、内陣に本尊・大日如来のほか阿弥陀如来など多くの
仏像を祀る。

中でも、祭壇中央に祀られている五智如来は関東では珍しく、金色に輝くその姿が見る人を圧倒させる。

また、本堂の欄間にはきらびやかな龍の彫刻があり、 天上には色彩豊かな花々が描かれている。

本堂の右手には、昭和61年に新築された庫裡がある。

かつて、市野井には、勝光寺、福蔵院、最勝院の三寺があった。明治5年に、福蔵院は最勝院の
場所に移転し最勝院を消滅させ、大正2年に勝光寺を合併して、福蔵院勝光寺となった。大正4年に
現在地に移転し、福蔵院と改称した。

旧福蔵院跡には、今でもたくさんの石造物が残っている。また、現在の本堂は、旧勝光寺の建物で
あった。

静かな境内には、弘法大師像が一人ぽつんと立っている。

<巡礼案内>
 宝珠山 勝光寺 福蔵院(ふくぞういん)  [高野山真言宗] 本尊・大日如来
 〒370-0314 太田市新田市野井町2181-1 住職・徳山秀文

<納経所>
 同寺 TEL:0276-57-2415

巡礼歌 『この世には 弓矢を守る八幡なり 来世は人を 救う弥陀仏』