第31番 妙真寺


30番から北へ進み、一つ目の交差点を東に折れる。そのまま少し行き、下淵名の信号を北に
曲る。300メートルほど行くと、左手に吹上商事の小さな看板がある。その合向かいが入口になっている。
右手前には、下淵名郵便局がある。

石柱を入ると参道があり、その先にこぢんまりと山門が建つ。

境内は広く、中央に入母屋造り間口9間、奥行7間の本堂が建っている。

寛政6年(1795)に改築され、その後も何度か改修がなされている。

東には鐘楼が建ち、正徳3年(1712)の梵鐘が吊り下げられている。

正慶2年(1333)、淵名妙真尼が開基する。淵名実秀の娘で小田原の北条氏に嫁いでいたが、
北条氏滅亡後、淵名に戻り庵を結んだ。自ら剃髪して妙真尼と名乗り、寺の名前もこれにちなむ。

正慶2年は、南朝年号では元弘3年(1333)であり、新田義貞が鎌倉幕府を滅ぼした年でもある。

また、鎌倉時代、当寺の執権、北条高時が世良田地区に重税を課して、使者として送ったのが、
この淵名の黒沼彦四郎だった。

境内には、南北朝時代の石仏、阿弥陀如来座像が存在する。明治時代、学制が発布されると、
境内に早川小学校が設置され、明治15年まで教育が行なわれた。

伊勢崎34ヶ所の26番札所。

<巡礼案内>
 大悲山 普門院 蓮花坊 妙真寺(みょうしんじ)  [新義真言宗] 本尊・聖観音
 〒370-0103 伊勢崎市境下渕名2679 住職・三品宥行

<納経所>
 同寺(兼19番) TEL:0270-76-0415

巡礼歌 『明らかに 心も澄める 妙真寺 大慈大悲の 鏡なるらん』