第17番 徳蔵寺


16番から酒のマルエイを通り過ぎ北に行くと、 澤藤電機、日立自動車会社の看板の立つT字路が
ある。それを左に曲り各工場の間を通り、上武国道を渡る。一つ目の角を左に曲り、そのまま
進むと、 道は右にカーブしているが、そのまま細い道を真っ直ぐ行く。すぐ目の前が徳蔵寺である。

門前に伊勢崎34ヶ所の27番、29番の納経所である旨の案内板が立つ。

小さな山門の先には、こぢんまりと蓮の池が造られている。あまり広くない境内を有効的に利用
したもので、風情がうかがえる。

永禄5年(1562)、京都御所の警護武士だった南義頼が現在の上矢島地区に移住し、
文禄3年(1594)には、その長子、頼広 が出家して徳蔵寺を創設。その子にあたる猛弁上人が開山した。
宝暦5年(1755)には庫裡が完成、明治34年には、17世の儀善によって本堂が入り母屋造り瓦葺きに
改築された。

儀善は徳蔵寺を再興するとともに、寺の中に三余塾という私塾を設置し、子弟の育成を熱心に行なった。
本堂は正面七間の造りの大きさで、広い内陣には真言宗では稀な阿弥陀如来が祀られている。

この寺の地所は、もともと新田義貞のひ孫である政義の三男、谷島三郎信氏の館跡であった。それを
示す鎌倉期の二基の宝塔が、本堂前に保存されている。

<巡礼案内>
 珠宝山 宝蔵院 徳蔵寺(とくぞうじ) [新義真言宗] 本尊・阿弥陀如来
 〒370-0111 伊勢崎市境上矢島934 住職・新井芳英

<納経所>
 同寺(兼13番、14番、18番) TEL:0270-76-2537

巡礼歌 『露霜と 罪を照らせる 大日寺 などか歩みを 運ばざらまし』