第16番 円福寺


上武国道下の信号に戻り、ゴルフ場のある三ツ木の信号から新田大根に向かって北に進む。
民家が建ち並ぶが右手に下田中会館、酒のマルエイがある。その間の細い道を右折。墓地に
囲まれながら新築の本堂がまぶしく建っている。

円福寺の旧本堂は明治25年に建立されたものであるが、老朽化が激しかったため、平成16年に
解体された。

平成17年には、檀家や世話人の協力で新本堂が完成した。

田園の中に建つまばゆいばかりの本堂は、まるで別天地を訪れたような気分にさせる。 本堂前に
立つ白亜の十一観音像が、極楽浄土に誘うようだ。

円福寺は新田義貞の死後、家来であった田中氏が小さな庵を建てて、 その菩提を弔ったのが
始まりだとされている。

その後、 天文年間(1532~1555)、丹波国の芦田宗俊の子孫、海翁が下田中に移住して円福と
名乗り、この庵を円福寺とした。

後に、寺は衰退したが、元和年間(1615~1624)、下田中の長谷川孫左衛門の五男、順永が
伽藍を修復している。この順永が、最初の住職であると伝えられる。

本尊は、元禄4年(1691に製作された十一面観音。 観音像の見守るこの寺は、伊勢崎34ヶ所の
28番札所でもある。

<巡礼案内>
 水沢山 山王院  円福寺(えんぷくじ) [真言宗智山派] 本尊・十一面観音
 〒370-0343 太田市新田下田中町318-1 無住

<納経所>
 長慶寺(34番) TEL:0276-56-8646

巡礼歌 『野も過ぎ 畑をも過ぎ 田中寺 花の香満つる法の話に』