第13番 法楽寺


稲荷神社前の信号を東へ行くと、栄町の信号がある。それを北へ進むと、東武線の踏切の
手前に建つ。

道路脇に、法楽寺、祈祷法印・開山堂、そして稲荷神社を示す石碑が立つ。その脇に、
安政5年(1858)の二十二夜塔など石仏が残り、当時の歴史を知ることができる。

脇の道を進むと、右手に法楽寺の境内が広がる。中央に本堂が建ち、左奥にこぢんまりと
昭和63年築の開山堂が建つ。境内の道路際には、当時の石仏や石造が整然と並んでいる。

その隣には、稲荷神社が建ち奉納旗が鮮やかにはためいている。

天正・慶長(1573~1615)の頃、僧の源海が開山する。源海は、村の東にあった薬師鉱泉の
そばに東光院を開いたという。 その後、東光院は現在地に移築され、七堂伽藍の整った大寺院、
法楽寺となる。

正徳・享保(1711~1736)年間、女塚の祈祷法印であった僧の重英が、この寺の住職になった。

重英は疫病や災難に対する加持祈祷を行い、村人から“祈祷坊さま”と呼ばれていた。 ある時、
疫病が流行っているのを知ると、自ら行人塚に入りその疫病を鎮めた。開山堂の中には、その重英の
徳を偲び、50センチメートルほどの真新しい木像が安置されている。

<巡礼案内>
 薬王山 法楽寺(ほうらくじ)  [真言宗豊山派] 本尊・薬師如来
 〒370-0121 伊勢崎市境女塚377-1 無住

<納経所>
 徳蔵寺(17番) TEL:0270-76-2537

巡礼歌 『国を分け 宝を積みて たつ寺の 末の世までの 利益残せり』