年金の差押え

質問7:年金は、差押えることができるの?

税金を滞納すると、市や県から財産を差し押さえられることは知っていますね。もし滞納の
ある人は、早めに税務課に行き、分割納付の協議などをしたほうがよいでしょう。それを
しないと、預金口座の差し押さえなどが行われます。

差し押さえられた側は、預金残高がなくなってしまい、生活していくのに大変苦労します。

年金が預金口座に振り込まれると、すぐに差し押さえられて、生活ができなくなってしまった
という人もいます。

この年金は、実は差し押さえ禁止の債権なのです。どうして、年金を差し押さえることが
できるのでしょうか。

この場合、年金が差し押さえられるのではありません。預金口座が差し押さえられるのです。

年金が預金口座に振り込まれると、それは年金でなくなり預金債権になってしまうのです。
ですから、この段階で差し押さえ禁止債権ではなくなってしまうのです。

最高裁も平成10年の判決で、「差し押さえ禁止の債権が受給者の預金口座に振り込まれ
預金債権になると、差し押さえ禁止の債権としての属性は承継しない」として、差し押さえを
認めています。

確かに、税金を滞納することはよくないことですが、預金口座に年金しか入っていないことを
知っていて、それを差し押さえるのも、納得のいかないものがありますね。