20番から生品小の裏の道に出て、片側にガソリンスタンドのある小さな十字路(信号)を
北に行くと、すぐに医王寺がある。
入口には太い石柱が2本立ち、正面には明治10年に再建された本堂が建っている(写真上)。
参道の途中に不動堂を兼ねた観音堂があり、棚の上には金色に輝く半伽思惟の如意輪観音が
祀られている(写真下)。
斜め上方を見ながら思考にふけっている格好は、近在でも珍しい。高さは50 センチほどであるが、
時代の変遷を経ているせいか、随所に見られる傷が痛々しい。
同じ堂内の不動明王は、明和4年(1767)に作製された高さ1メートル70センチで 町の
重要文化財に指定されている。その雄々しい姿に、厳しさを感じる。
本堂は簡素だが、昔は堂々たる立派な建物があったという。その堂内に祀られている本尊は、
大日大聖不動明王。
この像は19世紀に四国の西林寺から移されたもの。 また、同じ四国の泰山寺から移された
大日大聖不動明王も安置されており、 合わせて3体不動尊と呼ばれている。
このため、医王寺は北関東36不動霊場の10番でもあり、 巡礼の姿が絶えないという。
<巡礼案内>
清池山 医王寺(いおうじ 高野山真言宗)<小金井観音>
本尊:不動明王、霊場本尊:如意輪観音
〒370-0303 太田市新田小金井町982番地
TEL:0276-57-3141 住職:大野義壷
<納経所>
同寺 TEL:0276-57-3141
普段は不動明王のご朱印が多いため、東上州の観音様のご朱印と一言ことわること。