第16番 徳性寺

十一面観音 ≪出世観音≫ :: 太田市


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押切地区、正田商店の手前の観音堂と案内が出ている路地を北に入り、
100メートルほど行くと、押切集会所がある。 徳性寺はその北側。

本堂は19世紀前半の再建で、大正3年、昭和63年に修理が施されている。
内陣には本尊、大日如来を祭る。

その西側に、朱色に塗られた観音堂が建つ(写真上)。 境内の墓地群の中に地元の
飛行機王、中島知久平やその他の著名人の墓があるため、観音像は“出世観音”とも呼ばれている。

中島知久平は民間の飛行機製作所の先駆けとなり、初めて飛行機を空に飛ばすことに成功。
また、衆議院議員として活躍し、商工政務次官、鉄道・軍需大臣などを歴任した。

正田商店の斜め向いの高い塀に囲まれた屋敷が、中島新邸である。

観音堂の正面には、元治2年(1865)世話役たちによって納められた
“東上州の三十三観音堂絵図” が掲げられている(写真上)。最近の修復によって、色彩鮮やかに
蘇っている。

第2次大戦で後継者となる者が亡くなったため、現在は無住。 太田市細谷町の教王寺が管理。

隣には三柱神社がある。社伝によれば、すぐ南側を蛇行する利根川がよく氾濫し、 堤防が
押し切られるため、この地区は押切と名づけられたという。

また、国道354号線沿いには利根の湯が造られ、連日、多くの人で賑わっている。

<巡礼案内>
 大悲山 観音院 徳性寺(とくしょうじ 高野山真言宗)<出世観音>
 本尊:大日如来、霊場本尊:十一面観音
 〒370-0405 太田市押切町517番地 無住

<納経所>
 霜田征一郎 TEL:0276-52-0347
 役員が4年毎交代で管理。留守のときは、鏡雅次宅(TEL:0276-52-0314)まで。

巡礼歌 『慈悲の種 植えて実るか 法の山 迷いの雲は 押切の里』