第76番 十輪寺


75番からすぐ西のガソリンスタンドのある交差点を南へ行き、一つ信号を超えるとすぐ左側にある。
区画整理された道路をはさんで、両脇に墓地がある。 その東に本堂の屋根がそびえる。

境内の南側に粋な山門が建ち、それを入ると、右手に関東88ヶ所霊場の看板を掲げた太子堂が立つ。

平成8年に、同霊場開設とともに新築したもので、内陣に木造の弘法大師像を祀る。

中央には昭和53年造営された鉄筋コンクリートの本堂、隣接して同54年の客殿と庫裡が建っている。
本堂の中には、愛染明王を祀る。

左手には、古びた地蔵堂がこぢんまりと建つ。かつては、これが本堂であり、本尊は本来は地蔵菩薩
である。

この寺は、建久年間(1190~1199)に新田政義の弟、僧の覚義によって開基された。そのため、
寺紋は大中黒の新田の紋である。

江戸時代には新義真言宗に属していたが、後の火災で建物や古文書をほとんど焼失した。
延享2年(1745)の宝篋印塔が、ただ一つ見受けられるのみ。

明治時代から、他の寺院による兼務が続き、昭和になって先代から現住職に交替した。

関東88ヶ所11番札所でもあり、春には境内の桜が満開になる。

<巡礼案内>
 延命山 福寿院 十輪寺(じゅうりんじ) [高野山真言宗] 本尊・愛染明王
 〒373―0852 太田市新井町548-1 住職・枝井照栄

<納経所>
 同寺(兼75番) TEL:0276-45-5833

巡礼歌 『御仏の 新田の里の 地蔵尊 慈悲の御光ありがたきかな』