第61番 宝蔵寺


県道・前橋館林線の「反町薬師入口」の十字路を北にカーブしながら行き、すぐ左折。そのまま
北に進むと宝蔵寺がある。

二本の石柱門の先に、平成17年築の真新しい本堂が建つ。木造瓦葺き入母屋造りで、大きな
屋根が青空に映える。

その左側には、赤い小粋な表門がたたずんでいる。武家屋敷を思わせるような薬医門で、昔の
面影をそのままとどめている。その南には、 西から続く堀と土塁がわずかに残されている。

表門の正面は、旧本堂。新本堂とは反対に、歴史の重みを感じさせる建物である。 その前には、
観音堂と資料蔵がこぢんまりと並んでいる。

この寺の開基については諸説あるが、鶏足寺の住職が至徳3年(1386)に開山し、開基は岩松氏か
村田氏と考えられる。明治期には、本堂、客殿、表門など数多くの建物を有していたが、火災や竜巻
によりそのほとんどを失って いる。

明治8年、寺の境内に生品小学校の前身となる蓬直学校が設立され、同17年には、各村の
連合役場が設置された。

現在でも境内は広く、旧本堂が建つ区域と新本堂の建つ領域が、対照的なコントラストをかもし
出している。

<巡礼案内>
 金珠山 普賢院 宝蔵寺(ほうぞうじ) [高野山真言宗] 本尊・阿弥陀如来
 〒370-0312 太田市新田村田町573 無住

<納経所>
 照明寺(62番) TEL:0276-57-0211

巡礼歌 『曇りなき 鏡の縁と 睨むれば 残さず影を 映すものかな』