第55番 聖王寺


石橋十字路の交差点を西に行き、一つ目の信号を南に曲がる。すぐ右にゲートボール場の広場が
あり、その隣が聖王寺である。 右側には赤城神社がある。

正面に立つ2本の石柱の奥には、本堂と地蔵堂が建つ。本堂は間口七間の瓦葺き入母屋造りの
堂々たる建物。

内陣には、本尊の不動明王、弘法大師や興教大師の像などが安置されている。

その前の地蔵堂は、宝形造りの均整のとれた立派なお堂である。かつてこのお堂と対になって
観音堂も建っていた。現在では、 信者が寄進した白木の十一面観音を本堂内に祀る。

この寺は、興教大師の開山で、天永年間(1110~1113)の創建。後に、武田勝頼が長篠の戦いで
討ち死にしたため、家臣の武田信繁の子が、寺井の地に一族の供養のため寺を再興し、正応寺と
命名した。一時衰退したが、湿地だった境内を避けるため、江戸時代になって現在地へ移転。 そのとき
寺名も聖王寺と改めた。

石柱の左側には、明和元年(1764)に建立された2メートル以上の石造の六十六部供養塔がそびえる。
西側には強戸保育園がつくられ、園児たちが仲良く遊ぶ。

東上州33ヶ所22番。新田秩父34ヶ所6番の各札所。

<巡礼案内>
 寺尾山 聖王寺(しょうおうじ) [高野山真言宗] 本尊・不動明王
 〒373-0052 太田市寺井町693 住職・田口重彦

<納経所>
 同寺 TEL:0276-37-0633

巡礼歌 『寺尾山 松のむらたち 尋ねきて 千手の御影(みかげ) 拝むうれしさ』