第32番 願成寺


大国神社を過ぎ上武国道を越える。 そのまましばらく行くと、レストラン鳴鶴がある。左側の道端には、
安成寺の小さな看板が立つ。 そこを右折する。

道の西側に安成寺の本堂が建ち、東側が墓地になっている。かつて道をはさんで西に願成寺、
東に安楽寺があったが、昭和23年、農地解放を理由として願成寺の跡地に、現在の安成寺が建てられた。

山号は願成寺から、院号は安楽寺から、寺名は両寺から一字づつ使い、安成寺となった。願成寺は、
当時無住だった。

願成寺に関する文保2年(1318)の年号の記載された板碑が、跡地から発見されたことから、 その
当時には、願成寺は存在していたと考えられる。東側の入口から境内に入ると、中央に大きな本堂、
隣に庫裡。西側には古びた大師堂が建つ。南側には墓地 が広がる。

本堂の内陣には、厨子が二つ安置されている。願成寺の聖観音と、安楽寺の薬師如来であり、後者を
本尊としている。薬師如来は天正20年(1592)に製作されたものであり、市の重要文化財になっている。

<巡礼案内>
 華香山 願成寺(がんじょうじ) [高野山真言宗] 本尊・聖観音
 〒370-0345 太田市新田花香塚町846

<納経所>
 華香山 実相院 安成寺(兼33番)
 TEL:0276-56-8266(真言宗豊山派)本尊・薬師如来
 〒370-0345 太田市新田花香塚町846 住職・山崎隆達

巡礼歌 『わづかなる 泉に住める 青竜は 仏法守護の 誓いぞときく』