第29番 退魔寺


伊勢崎市役所のすぐ東に広い交差点がある。その一つ東寄り道を南に曲る。


周囲には住宅が建並ぶが、広瀬川の手前のT字路を右に曲る。道は狭いが、目の前が退魔寺の
山門である。

平成11年築の真新しい山門の脇を入ると、正面に不動堂、その右側に雄大な本堂が建つ。
境内はたくさんの木々が生い茂り、うっそうとしている。

応安4年(1371)、香華庵という名で創立される。その後、退魔寺と改められる。寛文3年(1663)、
火災に遭い、同10年(1670)に再建されている。このとき、大日如来を祀る。明治34年、 諸堂の
屋根を瓦葺きに替えた。

昭和15年には、不動堂を再建。平成7年、本堂を改修。鐘楼、客殿などを新築している。

南側には墓地が広がり、その中に鐘楼がぽつんと建っている。そこから、とうとうと流れる
広瀬川を見下ろすことができる。

寺伝によると、円光橋のほとりに魔物が住み着き、村人たちを脅かしていた。たまたま伊勢崎を
通りがかった石田三成がこの事実を知り、早々に魔物を退治した。それにちなみ、寺名を退魔寺と
改め、 寺紋も石田の紋にしたという。

伊勢崎34ヶ所23番。北関東36不動6番の各札所。

<巡礼案内>
 石岡山 不動院 退魔寺(たいまじ) [真言宗豊山派] 本尊・大日如来
 〒372-0037 伊勢崎市美茂呂町3612 住職・若槻繁隆

<納経所>
 同寺 TEL:0270-25-4642

巡礼歌 『悪魔をば 皆退けし 茂呂の寺 大慈大悲の 誓いなりけり』