第14番 真福寺


東武鉄道の線路を越え、突き当りを右折。すぐ先の大きな三叉路を左折し、信号を超えると
右手にある。周囲は住宅地、背後には国道354号が走る。

本堂は、広い境内の国道沿いにこぢんまりと建つ。お堂は最近改築され、屋根は瓦葺きから
銅板葺きに変わり壁面や入口も新しくなった。

ずんぐりした真新しい建物が、かえってこの寺の特徴を表しているかのようである。 無住の
せいか、境内の広さが寂しさをよけい増長させる。

入口には真福寺と書かれた石柱と、その脇に大小の地蔵が立つ。本堂に並んで境内の高台
には、稲荷神社がひっそり立っている。

天正年間、三ツ木城主であった根岸肥後守、繁道の姉、永寿尼の菩提を弔うため建立。
永寿尼は生涯、寡婦に徹し家政をよく治めた。

晩年、三ツ木城のそばに庵を立て、念仏三昧の生活を送る。死後、真福尼と呼ばれ、庵は
真福寺となった。

以後、衰退したが、昭和35年になって、現在の本堂が再建された。今まで東向きだったが、
南向きに建てられた。

近年の区画整理のため、現在の真福寺には三ツ木城を思わせる遺構は見当たらない。

春になると、桜の古木が境内を彩る。伊勢崎34ヶ所の29番札所。

<巡礼案内>
 自在山 真福寺(しんぷくじ) [真言宗豊山派] 本尊・聖観音
 〒370-0113 伊勢崎市境三ツ木313-1 無住

<納経所>
 徳蔵寺(17番) TEL:0270-76-2537

巡礼歌 『ひとふたつ 三ツ木の里に 来てみれば 花のうてなに 紫の雲』