第11番 愛染院


利根川沿いから境の町中方面に進む。最初の三叉路(米岡)を左にしばらく行くと、民家に
囲まれながら愛染院の石柱が建っている。

参道が広く、両脇の民家が昔ながらの雰囲気をかもし出している。脇に、宝暦5年(1755)の
高さ4メートルほどの、六十六州無縁の供養塔が立つ。

門前には、広い駐車場がある。入口に繁栄の鐘を吊るした鐘楼門が立つ。かつて二層の
山門だったが、平成元年、建て替えられた。その門を入ると、正面には間口八間の大きな本堂が建つ。

境内は広々とし古刹の雰囲気が漂う。本堂前の松の木は臥龍のようで、静寂さの中に趣を
与えている。境内の南には墓地が広がる。

文禄2年(1593)、定室法印が大学院を開山したのが始まり。後に小さな庵を立て愛染院とした。
寛永の初期、境の有力者が愛染院を一寺となす。 寛永3年(1626)には、庵主である慶全が客殿を
建立し、伽藍を整えた。

この寺に祀られている愛染明王とは、愛欲に誘惑される人間を救い、その内面を清らかにする
仏をいう。後に、恋愛成就の信仰対象ともされている。また、“藍染め”という言葉と語呂を合わせ、
染物業者も商売繁盛を祈願にくるという。

伊勢崎34ヶ所の31番札所でもある。

<巡礼案内>
 瑠璃光山 愛染院(あいぜんいん) 無量寺 [真言宗豊山派] 本尊・愛染明王
 〒370-0124伊勢崎市境461 住職・伊久間正雄

<納経所>
 同寺 (兼15番) TEL:0270-74-7089

巡礼歌 『衆生をば 慈しむらん 妙知力 瑠璃の光に 松風の音』