石田川の狭い橋を渡ると、左手に墓地があり 正喜院の建物が見える。
橋は、普通車がやっと一台と通れる程度。
大型車は蓮台寺の裏の道を西に行き、突き当りを左折。橋を超え天理教の建物のある一つ目の
曲り角を左折すると案内板が出ている。
駐車場がないので、路上に停める。
右側に何軒か民家があるが、100メートルほど先が境内である。
狭い境内の前に、庚申塔や馬頭観世音と刻まれた石造物が整然と並ぶ。
お堂の前に生える一本の松の木が、昔の面影を伝えている。
この寺の創建は不詳。宝永年間(1704~1711)に中興される。江戸末期に無住になり、一時、
蓮台寺の兼務となったが、明治30年代の ころから教王寺の兼務となっている。
本堂は瓦葺きの切妻造りであるが、建立年代が古くあちこちが朽ちている。内陣も荒れているが、
阿弥陀如来が本尊として祀られている。
境内も雑草が生え放題で、ほとんど手入れがなされていない様子。西側には、墓地が造られて
いる。少しずつ整備されていく墓地が、 霊場であることを伝承していく。
すぐ後ろを石田川が流れる。この川の流れだけが、寺の推移を見守ってきたのかもしれない。
境内には寂寥感が漂う。
<巡礼案内>
甘露山 正喜院(しょうきいん) [高野山真言宗] 本尊・阿弥陀如来
〒370―0401 太田市尾島町331 無住
<納経所>
教王寺(88番) TEL:0276-32-1143