第59番 円福寺


県道の前橋館林線の新田遺跡入口という信号を南に入る。小林商店の路地を右折する。簡素な
山門を入るとその両脇には池があるが、これは弁天池と観音池の名残である。

境内の正面には平成7年築の真新しい本堂がそびえ、内陣には本尊の不動明王が祀られている。
その西側には新田政義、政氏、基氏、朝氏の4名の位牌を安置する。

5世紀築造の茶臼山古墳の上には、十二所神社が立っている。この中には、神仏習合によって
人々に信仰された16体の神像を安置するが、これは各地の末社を円福寺に寄せ集めて合祀したもの
だと言われている。

その隣に建つ観音堂は元禄14年(1701)に再建されたものであり、堂内には鎌倉時代に作成された
高さ80センチメートルほどの千手 観音前立像が祀られている。

墓地の片隅には同寺を開基した新田政義をはじめ、新田氏累代の墓があり、石層塔や五輪塔などが
立ち並んでいる。

円福寺や十二所神社などを含む近在の11ヶ所が、平安時代末期に、新田氏の祖、新田義重が
開いた新田荘遺跡として、 国指定史跡となっている。

春になると桜が満開になり、県内外から多数の花見客が訪れる。東上州33ヶ所の18番札所。

<巡礼案内>
 御室山 金剛院 円福寺(えんぷくじ) [高野山真言宗] 本尊・不動明王
 〒373―0041 太田市別所町594 無住

<納経所>
 正法寺(57番) TEL:0276-32-0564

巡礼歌 『御室山 峰の松風 おとづれて 千手の誓い 耳に触れぬる』