第41番 長円寺


40番から東へ行き、突き当たりを右へ。すぐT字路を左折し、東武鉄道の踏切を渡る。真正面に、
高台に立っている堂宇が見える。周囲には田んぼが広がる。

細い参道を行くと石柱門が立ち、その先に小柄な山門がある。右手には平成12年再建の
真新しい鐘楼が建っている。梵鐘は平成元年、 再鋳造したものである。

古めかしい本堂は明治26年、新田村田町の宝蔵寺の観音堂を移築したもの。天井には
絵画が描かれ、欄間には彫刻が施されている。色彩豊かで華やかな本堂は、 極楽浄土を思わせる。

内陣には千手観音、不動明王など各種仏像が祀られている。西側の小高い丘は、5世紀頃の
前方後円墳である。本堂の東側には、庫裡が空しく建っている。

この寺は、永応年間(1394~1428)八王子丘陵にあったが、その後、現在地に移されたもので
ある。慶安2年(1649)徳川家光から御朱印地とされ、諸役の免除を得た。

宝暦4年(1754)大破した本堂や庫裡を再建したが、明治4年に山門と鐘楼を残して焼失。その後、
明治26年まで、仮堂宇で対応してきた。

辺りにはのどかな田園風景が広がる。藪塚温泉のにぎやかさも、ここまでは聞こえない。

<巡礼案内>
 藤光山 観音院 長円寺(ちょうえんじ) [高野山真言宗] 本尊・千手観音
 〒379-2301 太田市薮塚町554 無住

<納経所>
 照明寺(62番) TEL:0276-57-0211

巡礼歌 『きくならく 千手不思議の 力には 大盤石も 軽くあげいし』