40番から東へ行き、突き当たりを右へ。すぐT字路を左折し、東武鉄道の踏切を渡る。真正面に、
高台に立っている堂宇が見える。周囲には田んぼが広がる。
細い参道を行くと石柱門が立ち、その先に小柄な山門がある。右手には平成12年再建の
真新しい鐘楼が建っている。梵鐘は平成元年、 再鋳造したものである。
古めかしい本堂は明治26年、新田村田町の宝蔵寺の観音堂を移築したもの。天井には
絵画が描かれ、欄間には彫刻が施されている。色彩豊かで華やかな本堂は、 極楽浄土を思わせる。
内陣には千手観音、不動明王など各種仏像が祀られている。西側の小高い丘は、5世紀頃の
前方後円墳である。本堂の東側には、庫裡が空しく建っている。
この寺は、永応年間(1394~1428)八王子丘陵にあったが、その後、現在地に移されたもので
ある。慶安2年(1649)徳川家光から御朱印地とされ、諸役の免除を得た。
宝暦4年(1754)大破した本堂や庫裡を再建したが、明治4年に山門と鐘楼を残して焼失。その後、
明治26年まで、仮堂宇で対応してきた。
辺りにはのどかな田園風景が広がる。藪塚温泉のにぎやかさも、ここまでは聞こえない。
<巡礼案内>
藤光山 観音院 長円寺(ちょうえんじ) [高野山真言宗] 本尊・千手観音
〒379-2301 太田市薮塚町554 無住
<納経所>
照明寺(62番) TEL:0276-57-0211