

嘉祢の信号を東に曲る。そのまままっすぐ行くと、市野井の信号のそばにある。 街道から白い壁に
囲まれた本堂や鐘楼などの屋根が美しく見える。
参道の先には簡素な山門があり、右手に均整のとれた鐘楼が建つ。第二次大戦のため供出された
梵鐘は、昭和59年、新調された。
正面には大きな屋根を乗せた本堂が建ち、内陣に本尊・大日如来のほか阿弥陀如来など多くの
仏像を祀る。
中でも、祭壇中央に祀られている五智如来は関東では珍しく、金色に輝くその姿が見る人を圧倒させる。
また、本堂の欄間にはきらびやかな龍の彫刻があり、 天上には色彩豊かな花々が描かれている。
本堂の右手には、昭和61年に新築された庫裡がある。
かつて、市野井には、勝光寺、福蔵院、最勝院の三寺があった。明治5年に、福蔵院は最勝院の
場所に移転し最勝院を消滅させ、大正2年に勝光寺を合併して、福蔵院勝光寺となった。大正4年に
現在地に移転し、福蔵院と改称した。
旧福蔵院跡には、今でもたくさんの石造物が残っている。また、現在の本堂は、旧勝光寺の建物で
あった。
静かな境内には、弘法大師像が一人ぽつんと立っている。
<巡礼案内>
宝珠山 勝光寺 福蔵院(ふくぞういん) [高野山真言宗] 本尊・大日如来
〒370-0314 太田市新田市野井町2181-1 住職・徳山秀文
<納経所>
同寺 TEL:0276-57-2415