国道354号沿い、太田市尾島町一丁目の信号の脇にある。 すぐ隣が稲荷神社。国道沿いに、
数基の大きな庚申塔が立ち並んでいる。
参道の入口に、新田 第一番明星山正光寺の石柱が立つ。この碑が、新四国88ヵ所の歴史を
知る貴重な手がかりである。
新四国霊場を開設した白石栄左衛門を先祖とする白石宅(℡0276-52-0010)は、国道を
はさんで合い向かい。貫禄のある門、母屋、倉庫が建っている。
阿久津集会所の先にある簡素な山門を入ると、広い境内が現れる。 本堂は瓦葺入母屋造りで
どっしりした建物である。境内の西側に墓地が広がり、 その入口付近に白石栄左衛門の墓がある。
無住のため、普段はひっそりしている。
阿久津という地名は亀岡の西にもあり、そこが元地である。正光寺のある阿久津地区は、利根川の
洪水のため移転した飛び地だといわれている。
正光寺は、寛平年間(889~898)、大和国の阿闍梨によって創建され、元和年間、現在地に移転。
寛文年間(1661~1672)に中興されている。
誰もいない境内に一人たたずんでいると、かつての栄華がよみがえる。栄左衛門の強い信念と
信仰心を感ぜざるをえない。新四国88カ所は、 今もこの地に生きている。
<巡礼案内>
明星山 正光寺 (しょうこうじ) [高野山真言宗] 本尊・聖観音
〒370-0402 太田市阿久津町101 無住
<納経所>
照明寺(62番) TEL:0276-57-0211